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登場人物

クロ 塾長

年齢:40代前半
性別:男性
職種:塾オーナー・経営者

東京の大手塾に勤めた後、現在は独立して個人塾を経営している。
これまで20年近く塾業界を見てきた経験があり、これから学習塾を開業しようとする人に有益なアドバイスを提供している。

趣味:株式投資・筋トレ・水泳


サラリーマン

年齢:20代後半
性別:男性
職種:大企業に勤めるサラリーマン

会社を辞めて学習塾を開業したいと思っている。
しかし学習塾の開業方法が分からず、また勇気が足らずに独立するための一歩が踏み出せずにいる。

メンターであるクロ塾長にさまざまな質問をぶつけ、少しずつ個人塾開業に向けての準備を進めている。

[フランチャイズ加盟時よりもローコスト]塾開業に必要な資金は?(個人塾編)

こんにちは、クロ塾長です。

今回は、

サラリーマン

個人塾を開業するのに必要な資金はどれくらいですか?

という疑問に答えていきたいと思います。

クロ塾長

塾を開業するとき、フランチャイズに加盟して開業するよりも、オリジナルの個人塾を開業する方が、圧倒的にコストがかかりません。

(結論)

1.資金は大きく分けて「初期費用」・「運転資金」の2種類がある

2.初期費用・運転費用を小さくするには「教室家賃をできるだけ抑える」

3.経営に必要な考え方は「小さく始めて大きく育てる」

目次

1.資金は大きく分けて2種類ある

個人塾を開業するにあたって、必要となる資金は2種類あります。

それは、

  1. 開業前にかかる初期費用
  2. 開業後に用意しておく運転資金

です。

よく、開業資金というと1の「開業前にかかる初期費用」のことだけを指したり、開業する人自身も1だけを考えているケースがあります。



そのうち、2の「開業後にかかる運転資金」を開業資金として準備しておくことはとても大切です。

それでは順に解説していきます。

開業前にかかる初期費用

開業前にかかる初期費用には、

  1. 教室物件の敷金・礼金(家賃の4ヶ月分を想定)
  2. 教室物件の初月・翌月の賃料(家賃の2ヶ月分)
  3. 不動産屋の仲介手数料(家賃の1ヶ月分を想定)
  4. 教室の内外装費用
  5. (学習机・ホワイトボードなどの)什器費用
  6. (PC・コピー機などの)備品費用
  7. 見本教材の購入費用
  8. (ホームページ制作や開校チラシなどの)広告費

などがあります。

「①教室物件の敷金・礼金」については家賃の4ヶ月分。



「②不動産屋の仲介手数料」は家賃の1ヶ月分を仮に想定しています。



なので、実際に借りる物件や仲介する不動産屋の条件によって変動することがあります。



が、概ね通常はこのくらいでおさまります。



「④教室の内外装費用」については、借りる物件の規模や立地によって結構変動します。


おすすめは、できるだけ内装工事の必要のない「居抜き物件」を借りることです。


いわゆる「スケルトン(コンクリートむき出し状態の物件)」だと、床のフローリング代・壁紙クロス代などの内装工事費用が余計にかかります。



1円でも開校にかかる費用を抑えたい塾経営者からすると「無駄な出費」といえます。


あまりにボロボロだといけませんが、多少年期が入っているレベルのフローリングや壁紙クロスであれば、逆にそれがいい「味」になります。


また、通う生徒や保護者はそこまでフローリングや壁紙を気にしていません。



なので、「ウチは教育サービスの質で勝負するんだ」と割り切りましょう。



なるべく内装に手を加える必要のない居抜き物件を借りることをおすすめします。

さらに、④の費用の中の、特に看板費用をできるだけ抑えるためには、人目につきやすい路面店舗でかつ1Fの教室物件を借りることが望ましいです。


これはなぜかというと、路面店で1Fの教室ならば教室の窓や入り口自体が看板の役割を果たすためです。



入り口や窓ガラスの内側から自由に教室のウリや進学実績などを貼り付けて宣伝できます。


「⑤什器費用」ですが、なるべく安く抑えるために中古のオフィス家具を扱っているお店を周りましょう。



そのお店で、状態のいいものを購入することが望ましいです。


ただし、学習机と椅子は生徒が塾に居る間に長く触れるものなので、多少値段が張ってもできるだけ使い心地の良いものを選ぶことが重要です。


「⑥備品費用」は、自身が使用するPCとプリンタ複合機はある程度良いものを購入することがおすすめです。

PCをある程度スペックの高いものを選ぶべきなのはなぜかというと、もはや塾の仕事といえど8割以上の作業はPCで行うからです。

使用するPCのスペックが低いと作業の1つ1つにおいて少しずつ効率が悪くなり、結果として作業全体では大きく効率を落としてしまいます。


15万円も出せばMacでもWindowsでも最新のノートPCが手に入りますから、ここは奮発して購入することをお勧めします。


また、プリンタ・スキャナー・コピー機・FAXなど様々な機能を備えたプリンタ複合機についても、塾を運営する上で活躍する機会が多いです。

例えば書類をプリントアウトしたりコピーするときに、高スペックなプリンタ複合機であれば出力するまでにかかる時間が短く、かつ画質もきれいに出力されます。


対面での保護者や生徒への対応時に、書類などを出力してお渡しするケースはよくあります。



なので、お待たせすることなく迅速に画質の良いものを出力できる環境を整えておくことは本当に重要です。

高スペックなプリンタ複合機といっても6~7万円も出せば十分良いものが購入できます。



こちらも必要な初期投資と思って買っておくことが◯です。

「⑦見本教材の購入費用」は入塾時の面談などで教材を紹介するときや、生徒に教える前に予習するために必要ですから、しっかり用意しておきましょう。


次に「⑧(ホームページ制作や開校チラシなどの)広告費」について。



こちらは、塾を知ってもらうためのホームページ制作は業者に依頼すると一気に高額な出費になってしまうため、本を読むなどしながら自分で作成することをおすすめします。


ホームページ制作を業者に依頼した場合、一通り完成するまでに数十万円〜百数十万円、毎月の管理費用で数万円かかり、5年もするとトータルでは数百万円にもなります。


自分で作成した場合は、レンタルサーバー代やドメイン代を合わせて年間数千円〜2万円くらいで済み、5年間では高くても10万円以内におさまります。


塾の先生を目指すくらいなので勉強は得意なはずですから、時間を自己投資すると思ってホームページ作成は自分で取り組んでみてください。

開業後に用意しておく運転資金

開業後に用意しておくべき運転資金には、

  1. 教室家賃(6ヶ月分)
  2. 教室の水道・光熱費(6ヶ月分)
  3. 教室の通信費(6ヶ月分)
  4. 教室の広告費
  5. 講師の人件費(6ヶ月分)
  6. 自分の生活費(6ヶ月分)
  7. 廃業するときにかかる費用
  8. 廃業後の生活資金(2ヶ月分)

があります。

ここの各項目でいずれも6ヶ月分としているのはあくまで目安です。



が、6ヶ月分以上用意するのは金額がかさばりますし、6ヶ月分以下だと資金に(心理的に)余裕がなくなってしまいます。



6ヶ月分というのが、ちょうどバランスの取れるところなのではないかと思います。


「④教室の広告費」については、開校したての学習塾はしっかり宣伝しなければならないものです。



が、一方で広告費をかけたところで生徒がすぐに集まる保障はどこにもありません。


「金を出さずに知恵を出す」とは経営においての基本なので、できるだけお金をかけずに宣伝することを考えるべきです。

PCと高スペックなプリンタ複合機があれば、ある程度の品質のチラシは作れます。


自分で広告チラシを作成することは、はじめはデザインを考えたりコピー用紙の選定や出力方法を試行錯誤したりと大変です。



が、一度作ってしまえばその後も自分で手軽にデザインを変更できたり、コピー用紙も色々な材質に変更できます。

どうせはじめは生徒もおらずやることもないですから、時間をかけて少しずつ改良していけばいいのです。

「⑤講師の人件費(6ヶ月分)」についても、おすすめは「はじめは講師を雇わないこと」です。


大企業でも業績が悪化してきたときに真っ先に行うのが「リストラ」、すなわち人件費の削減です。


それくらい人件費とは事業においてコスト面で大きな割合を占めます。


当たり前ですが生徒ははじめ0人で、そこから1人、また1人と少しずつ増えていくものですから、開業初期は自分1人で十分回ります。


「⑥自分の生活費(6ヶ月分)」ですが、これは開業する人の状況によって大きく変わります。

配偶者がいて共働きの場合、パートナーがフルタイムで働いていれば、生活費はあまり心配する必要はないでしょう。

独身の場合は、他に収入源がなければ真っ先に削るべき項目は「生活費」です。

これから塾が盛況して高収入になることを考えると、多少なりとも低コストな暮らしを体験できるのは開業直後の時期しかありません。

教室からできるだけ近くの、地域最安値の6畳アパート(ユニットバス・トイレ付き)に住んでみるのも人生経験としてありだと思います。



「住めば都」で意外と快適さを感じる(特にコスト面で)かもしれません。


食事は全て自炊し、スマホは格安プランにすればさらにコストは抑えられます。


生活費をできるだけコストカットして防御力を高めた後は、さらに塾の営業時間外にアルバイトをすると◎です。

こちらについても、これから塾が順調に成長していけばすぐにアルバイトする必要はなくなります。



ですから、開業直後だけの貴重な経験と思って実践することをおすすめします。


「⑦廃業するときにかかる費用」・「⑧廃業後の生活資金(2ヶ月分)」についてはフラインチャイズ加盟編では触れませんでした。



が、開業して上手くいかない可能性が0でない限り考えておかなければなりません。


むしろ開業して順調に塾が成長していたとしても、常に最悪を想定して準備しておく(お金を用意しておく)必要があります。


廃業するときには、教室備品や什器を事業ゴミ回収業者に回収してもらったり、内外装を業者に撤去してもらわなければなりません。



そのため、「⑦廃業するときにかかる費用」は数十万円程度は覚悟しておくべきです。

また、廃業後は新たに職を見つけなければならないので、職が見つかるまでの期間の生活費も必要です。

「⑧廃業後の生活資金(2ヶ月分)」は2ヶ月分としましたが、これは職探しに焦りが出てしまい条件の悪い職選びをしてしまわないためです。



ある程度の余裕が持てる最短期間が2ヶ月だといえます。


但しこれはあくまでも私個人の判断ですので、人によっては6ヶ月~1年必要と思われる方もいるでしょうし、1ヶ月で十分という方もいるかもしれません。


なのでこちらは各々が必要と思う期間の生活資金を用意すればよいと思います。


しかし、

サラリーマン

自分は絶対に塾を成功させるので、廃業するときのことは考えません!

というのは危険ですからおすすめしません。

「絶対に成功させる」という心意気は素晴らしいですが、それと「廃業するときのことを考えない」ことは別物です。

物事には始めがあれば必ず終わりもやってきます。


ユニクロの社長である柳井正さんの著書の題名にも「一勝九敗」とあるように、事業というものは成功することよりも失敗することの方が多いのです。

日本を代表するカリスマ経営者でさえも「一勝九敗」と言ってるわけですから、初めて起業(開業)するならなおさら謙虚になって「廃業するときはこうして、再起をはかろう」と心とお金の準備をしておくべきです。

2.初期費用・運転費用を小さくするには

はじめに用意した開業資金には限りがありますから、できるだけ費用を抑えて資金の流出を最低限にする必要があります。


初期費用・運転費用のどちらも小さくするためには、ずばり「教室家賃をできるだけ抑える」ことです。

初期費用・運転費用の項目の中で教室家賃に連動しているものを全て合わせると、実に13ヶ月分の教室家賃が含まれることになります。


塾の指導形態やどれくらいの規模の教室を作りたいかにもよります。



が、初めて塾を開業するのであれば講師は自分1人で回るくらいの小規模な教室で、教室家賃は毎月10万円以下の物件を選ぶことをおすすめします。


仮に毎月の教室家賃を10万円でシミュレーションした場合、以下のようになります。

開業前にかかる初期費用金額
教室物件の敷金・礼金(家賃の4ヶ月分を想定)¥400,000
教室物件の初月・翌月の賃料(家賃の2ヶ月分)¥200,000
不動産屋の仲介手数料(家賃の1ヶ月分を想定)¥100,000
教室の内外装費用¥400,000
(学習机・ホワイトボードなどの)什器費用¥300,000
(PC・コピー機などの)備品費用¥400,000
見本教材の購入費用¥100,000
(ホームページ制作や開校チラシなどの)広告費¥100,000
¥2,000,000
開業後に用意しておくべき運転資金金額
教室家賃(6ヶ月分)¥600,000
教室の水道・光熱費(6ヶ月分) ※1ヶ月¥15,000程度と仮定¥100,000
教室の通信費(6ヶ月分) ※1ヶ月¥15,000程度と仮定¥100,000
教室の広告費¥100,000
講師の人件費(6ヶ月分) ※1人も雇わないと仮定¥0
自分の生活費(6ヶ月分) ※1ヶ月¥200,000と仮定¥1,200,000
廃業するときにかかる費用¥600,000
廃業後の生活資金(2ヶ月分)¥400,000
¥3,100,000
開業前にかかる初期費用 + 開業後に用意しておくべき運転資金総額
¥2,000,000 + ¥3,100,000¥5,100,000

それぞれの項目については開業する方の状況によって異なるとは思いますが、少し余裕を持たせて考えるとだいたいこんな感じだと思います。

各項目とも削ろうと思えばもっと削れるはずです。



逆に「ここはもう少しお金をかけたい」というところは費用を加算してもいいと思います。


フランチャイズに加盟して塾を開業した場合は1500万円程度かかります。



それを考えると、個人塾として開業すれば撤退資金を含めても約3分の1で済むのは大いに魅力が感じられるのではないかと思います。

3.小さく始めて大きく育てる

大事なことは、基本として「小さく始めて大きく育てる」という考え方を持って開業にあたることです。

小さく始めれば、もしも思うように生徒が集まらなくて事業が失敗に終わったときでも、傷は浅くてすみます。

小さく始めてみて、思った通りに生徒が集まり、初期費用が回収できてなお収益が安定し続けたら、そこでようやく「ここから塾をどう成長させていくか」を考えればいいと思います。

講師を雇ったり、より広い教室物件に移転するのもいいですし、塾以外の新規事業に取りかかるのもリスクヘッジになっていいと思います。


今は日本最大規模の大手進学塾でさえ、はじめは6畳1間のアパートからスタートしたところもあります。

ひとたび大きく成長してしまうと小さい規模での学習塾経営に戻ることはほとんどないでしょう。



ですから、はじめだからこそ味わえる小規模経営の醍醐味を存分に味わってみるのも、今後経営者として成長していく上で貴重な経験になるでしょう。

まとめ

個人塾を開業するときに資金面で気をつけるポイントをまとめると以下の通りです。

  • 資金は2種類(初期費用と運転費用)用意する。
  • 教室家賃はできるだけ抑える(月10万円以内)。
  • できるだけ小さく始めて大きく育てる。
クロ塾長

この3点をしっかりおさえれば、かなり失敗しにくくなります。

開業後、はじめて生徒やご家庭に入塾を決めていただけたときの喜びは格別です。

せっかく自分の塾を選んでいただいた生徒やご家庭の期待に長く応えられるよう、費用について抑えるべきところは抑えるという適切な資金管理をしていくことが、経営者としてのはじめの一歩といえます。

すばらしい塾作りの参考に少しでもなれば幸いです。

それではまた。

登場人物

クロ 塾長

年齢:40代前半
性別:男性
職種:塾オーナー・経営者

東京の大手塾に勤めた後、現在は独立して個人塾を経営している。
これまで20年近く塾業界を見てきた経験があり、これから学習塾を開業しようとする人に有益なアドバイスを提供している。

趣味:株式投資・筋トレ・水泳


サラリーマン

年齢:20代後半
性別:男性
職種:大企業に勤めるサラリーマン

会社を辞めて学習塾を開業したいと思っている。
しかし学習塾の開業方法が分からず、また勇気が足らずに独立するための一歩が踏み出せずにいる。

メンターであるクロ塾長にさまざまな質問をぶつけ、少しずつ個人塾開業に向けての準備を進めている。

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